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「鬼」とはなにか〜その2

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鬼女〜嫉妬や恨みの篭る女の顔としての般若面


前回に引き続き「鬼」の話を。

 「鬼」の語源ですが元々は、中国の「鬼(キ)」が6世紀後半に日本に入った時に、日本にあった「オニ(オン)」と重なり「鬼(おに)」になったと言われています。
 ですので、一言で「鬼」と言っても、その姿は実は様々なものであるのです。

 文芸評論家の馬場あき子氏は以下の5種類に「鬼」を分類しています。

    ●民俗学上の鬼で祖霊や地霊など。
   
山岳宗教系の鬼、山伏系の鬼、天狗など。
   
仏教系の鬼、邪鬼、夜叉、羅刹など。
   
人鬼系の鬼、盗賊や凶悪な無用者、ならず者としての鬼。
   
怨恨や憤怒によって鬼に変身する、変身譚系の鬼。

Cap 188.jpg 全体的に言えるのは「鬼」とは、安定したこちらの世界(俗世)を侵犯する異界の存在ということです。

 「鬼」のイメージが多様なのは、社会やその時代によって異界のイメージが多様であるからで、法を犯す反逆者であり、山に住む異界の住人であれば鍛冶屋のような職能者も鬼と呼ばれ、人の怨霊、地獄の羅刹、夜叉、山の妖怪など際限なく鬼のイメージは広がるそうで。
 ですので、現代では、UFOや宇宙人も上記の分類で言うと「鬼」として扱われてもOKということになります。



幻覚とは思えない「空飛ぶ火車」と「鬼」
  
 知切光蔵氏の著した『鬼の研究』にはこんな話が紹介されています。

 広島県の豊田郡御手洗港は、瀬戸内海大崎下島にある古い港で、今でも相当の船着場であるが、昔はもっと賑やかであった。  <中略> 宝暦年間(1751〜1763)のある日の夜のことだった。その夜は快晴で、月の出の美しさがひとしお期待され、宵のうちから好場所を占めた連中が、盃を交わしながら、さざめいていた。
 そのうちに東の空が明るくなり、観音峠あたりの海上が銀波を写しだし、その月の出と、いっせいに空を仰いで固唾をのんで待った。
 と、ゴロゴロ・ゴロゴロと、どこともなく車輪の音が近づいてきて、響きが段々と高くなるにつれて、月見の連中も月の出のことを忘れて、いっせいにその音の方に視線を転じた。
 と、どうであろう、炎々と燃え盛る火の車は、東から西の夜へ向けて、今や轟々たる音を立てながら、はじめはゆるやかな速度と見たのだが、近づくに従って、矢のような速度で、月見衆の目の前を西へ向かって疾り去った。
 その時、一同の目に灼きついたのは    <中略> それを曳く青鬼、赤鬼の獰猛な姿であった 浮かれ心はどこへやら、一同シュンとなって震え上がった。
『黄昏綺譚』高橋克彦著より

  幻覚とは思えないリアリティがありますよね。同時に何十人も見たのでこういう話が今も残っているのだと思います。空飛ぶ鬼・・・・。
中国の宇宙に由来した「鬼」という漢字や、空飛ぶ乗り物とも関連がある「鬼」の存在。怪しい話ですね。


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佐脇嵩之『百怪図巻』より「くはしや」(かしゃ)


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