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日本の三大幽霊〜「番町皿屋敷」のお菊さん

 前回から日本の三大幽霊を紹介していますが、今回は「番町皿屋敷」お菊さんを。

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日本三大怪談〜四谷怪談、番町皿屋敷、牡丹灯篭、
江戸三大幽霊〜お岩(四谷怪談)、お菊(番町皿屋敷)、 累(かさね)(累ヶ淵)
日本三大幽霊〜お岩(四谷怪談)、お菊(番町皿屋敷)、お露(牡丹灯篭)

 番町皿屋敷も歌舞伎や講談などで広がっていますが、原型になる実話があったとされます。また、全国に似たような話があることも特徴的ですね。大阪で歌舞伎の演目として上演された「播州皿屋敷」を、江戸を舞台に直して「番町皿屋敷」になったと言われています。


◆「番町皿屋敷」のあらすじ

Cap 116.jpg 牛込御門内五番町にかつて火付盗賊改・青山播磨守主膳の屋敷がありました。ここに菊という下女が奉公していましたが、承応二年(1653年)の正月に、菊は主膳が大事にしていた皿十枚のうち一枚を誤って割ってしまいます。
 怒った奥方は菊を責めますが、主膳はそれでも生ぬるいと、皿一枚の代わりにと菊の中指を切り落とし、手打ちにするといって一室に監禁してしまいました。
 菊は縄付きのまま部屋を抜け出して裏の古井戸に身を投げます。

 まもなく夜ごとに井戸の底から「一 つ……二つ……」と皿を数える女の声が屋敷中に響き渡ることに。
 やがて奥方の産んだ子供には右の中指が無かったといいます。この噂は広がり、公儀の耳にも入り、主膳は所領を没収されることになります。
 しかし、その後もなお屋敷内で皿数えの声が続くというので、公儀は小石川伝通院の了誉上人に鎮魂の読経を依頼します。
 ある夜、上人が読経しているところに皿を数える声が。
「八つ……九つ……」、そこですかさず上人は「十」と付け加えると、菊の亡霊は「あらうれしや」と言って消え失せました。


 という内容なのですが、この時代考証にあたっては、青山主膳という火附盗賊改は存在せず、了誉上人という人も1420年に没した人物です。
 
 ま、創作にかなり近い内容なのですが、実は、主人の大切な皿(もしくは盃)を割って手打ちにされ、それが幽霊となって出てくるという話は各地にあるのです。


皿屋敷伝説の原型?〜竹叟夜話

 
  嘉吉の乱(1441年)の後、小田垣主馬助という山名家の家老が播磨国青山の館代をしていた頃、花野という脇妾を寵愛していました。
 ここに出入りしていた笠寺新右衛門という若い郷士が、花野に惚れていたのですが、
花野は拒絶し続けます。
 
ある時、小田垣が山名家から拝領していた鮑貝の五つ杯の一つが見あたらないことに気づきます。

 犯人は花野に恨みを抱いた笠寺なのですが、小田垣は、
花野が犯人と決め付け、「杯が見つからなければ小田垣家も滅びる」と脅しながら花野を折檻し、ついには松の木にくくり上げて殺してしまいました。
 その後、花野の怨念が毎夜現れるようになったと言われています。そしてこの松の木は「首くくりの松」と呼ばれるようになりました。

 

牛込の皿屋敷〜
当世智恵鑑

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 皿屋敷伝説の、重要要素である十枚の皿のうちの一枚を損じて命を落とすという部分は、正徳2年(1712年)の宍戸円喜『当世智恵鑑』という書物に収録されているのですが、この話は江戸になります。
 
 江戸牛込に服部氏が住んでいましたが、この妻は、きわめて妬み深く、夫が在番中に、妾が南京の皿の十枚のうち一枚を取り落として割ってしまったことにつけ、それでは接客用に使い物にならないので、買換えろと要求します。 
 とても古い品なので、もとより無理難題でした。妻は更に罪を追及して、その女を幽閉して餓死させようとします。
 しかし五日が過ぎても死なないことから、ついに自ら絞め殺してしまいました。
 四人の中間に金を渡して妾の遺体を棺に入れて運ばせたのですが、途中で妾は息を吹き返します。完全に死んではいなかったのです。四人は再び殺そうとするのですが、妾は隠し持った二百両があると明かして命乞いをします。
 男たちはいったん金を懐にしたものの、後で事が知れたらまずいと、女を縊りなおして殺し野葬にしてしまいました。

 それから怪異が起こります。妻は喉が腫れて塞がり、咀嚼ができずに危険な状態に陥り、医者へ駆け込むのですが、その医者のところについに怨霊が出現し、自分に手をかけた男たち既に呪い殺したこと、どう治療しようと服部の妻は死ぬことを言い伝えたといいます。

 このような話は、時代を変え、場所を変え幾つも散見されるのです。
昔は、そういうことは全国的によくあることだったのかもしれません。これらの悲劇な話や噂、脚色が混ざり合って現在言われている「番町皿屋敷」になったのではないでしょうか。
 皿一枚の重みが命よりも重いとされ、殺された何人もの女性たちの恨みがこの話には込められているといえそうです。
 そういう考えるとこの怪談は哀しく、そして恐ろしい話であると思います。

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