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僕は一体誰なんですか?その2

 前回、交通事故で自分が家族と共に死んだニュースを見て精神を錯乱してしまう少年の話がありました。
 「自分」が誰だか分からなくなるときの恐怖や不安は実際体験してみないと分からないものがあります。
 
 管理人は数年に一度は体験することがあるのですが、それは朝目覚めた時のことなのですが、目の前の光景、そう、いつものカーテンや壁、天井の照明など、それが一体何なのかが分からなくなる時があるのです。

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 目には入るのだけども、それが「照明」という器具であることが分からないのです。 そこから、ここは何処?今はいつ?これらの答えが心に浮かんでこないのです。
カレンダーの文字を見てもそれが、一体何を意味するのかが分からないのです。
 そして一番核心的な問いをしてしまいます。
「自分は、誰だ・・・・?」分からないのです。

 目に写る光景、心に思い描く問いに対し、まったく反応がないのです。

 まるで、パソコンがフリーズしている感じに近いのです。「自分」という存在の問いに対し、答えが一切帰ってこない・・・。

 これは言い知れぬ不安感とで心が一杯になるのです。

 自分は誰で、今はいつで、ここは何処で、そして目に見えるこれらのものは一体何なのか?すべての事に対し、何も浮かんでこない。

 すると急に湧き上がる不安感と、それに付随してこみ上げてくる恐怖心に心が満たされそうになるのですが、パニックになる寸前で、その答えが一気に流れてくるのです。

 まるで、今までせき止められていたものが、激流となって一気に流れ出すように。

 あぁ、自分は◯◯という名で、今日は◯◯◯◯年で、ここは日本の◯◯で。
という感じで。そして過去の人生から今の時点まで一気に記憶が蘇るのです。
死ぬ間際に見せられる走馬灯のようなものかもしれません。時間にしたらほんの数秒のようなものなのですが、
すべてのことを思い出して安堵するのです。

例えると、映画「マトリックス」のような感じなのでしょうか。

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フリーズの後で、リロードされているような感覚です。

 

 まったく何もかも、思い出せない時の一瞬の不安感といったら思い出しても冷や汗が出てきます。
 よく漫画や小説で記憶喪失になるシーンがありますが、実際はかなり恐い話であると思います。「自分」という存在をつなぎ止めるのは過去から続いている記憶なのですから。

 しかし、ふと、別の不安がよぎる時があるのです。

「この情報(記憶)がもし他人のものだったら」と。
 自分が入れ替わったのがわからないまま他人の人生を生きているのではないか。

 ある人物の記憶というものがデータベースとしてどこかに存在していて、そのデータをインプットすれば、誰でもその人になる。もしかすると、魂の入れ替えがしょっちゅう行われているのかもしれないとか考えると恐いものがあります。

 稀に起きるこの現象は、自分は昨日まで全然別の人物で、寝ている間に入れ替えが行われて、朝、そのデータのロードが遅れたのでは?なんて考えるとちょっと恐いです。


事故の記憶

 さて、記憶に関してもうひとつ。管理人は、子供の頃に頭に大怪我をした記憶があります。それは自転車に乗っていて電柱と壁に激突した記憶なのです。自分の目線で電柱が迫ってきて頭に強い衝撃を受け、血だらけになって泣き叫んでいる鮮明な記憶なのですが、ある時、家族にその話をした時に、母親にこう言われました。

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「それは、お前じゃなくて◯◯(兄)のことだよ」と。私が自分で体験したと思っていたことは、私の兄に起きた出来事だったらしいのです。
 当然、ハッキリとした記憶がありますから反論したのですが、「じゃあ証拠を見せてやる」と言われ兄が呼ばれました。そして兄の頭の毛をめくり上げ、傷跡を見せたのです。
 その時のことも両親、兄がハッキリと証言していて、自分はそんな怪我などひとつもしていないとのこと。確かに調べてみると自分の頭には兄のような傷がありませんでした。

 でも、自分には、ハッキリと自分の視線で激突した光景の記憶があるのです。じゃあ、自分が持っているこの記憶とは一体何なのだろうか。そう考えると不思議で仕方ありませんでした。また、この話が話題に上らなければ、今後もずっと自分の記憶として認識していたのだろうと思います。

 子供の頃は自我がハッキリしていないので周囲の人間と記憶を共有している可能性があるのかも知れません。誰かが話している内容が強烈で自分の体験としてイメージしてニセの記憶を作り出したのかも知れません。そう考えると「記憶」というものは案外と不確かなものだのだなと感じざる負えませんでした。
 そんな記憶に基いて今の自分というものを認識している・・・・。 

「自分」とは一体何をもって自分として認識しているのでしょうか。改めて考えてみると、自分や周囲の「過去の記憶」に頼っている不安定な存在なのかもしれません。

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