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黄色いパーカーの女性

 日常の当たり前の光景も、偶然が重なるとちょっと怖くなるという話です。


黄色いパーカーの女性

 数年前、単身赴任していた時期があり、千葉県の柏市にある独身寮から東京へと通っていた。

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 ある日の雨の夜、いつもの通り単身赴任先に戻る途中の東武線の春日部駅で電車を待っていた。都合よく開いていた座席に腰を下ろすと、目の前にお母さんと一緒に黄色いパーカーを着た女の子がいた。

 夜とはいえ、まだ8時前、時間も早く、何のへんてつもない、いつもの光景である。

 その子は、2,3先の駅でお母さんと降りると、それと同時に中学生くらいの女の子が乗り込んできた。背中を向けてつり革につかまっていて顔は見えないが、先ほどの女の子と同じく黄色いパーカーを着ていた。

 電車は進み、更に2、3駅進んだ時、ふと頭を上げると目の前の席に黄色いパーカーを着ている女の子が座っている。
「ああ、さっきの子が座ってんだ」と思ったが、ふと違和感を感じて二度見した。

 さっきは中学生ぐらいだと思ったが目の前にいる子は、もっと大人びて見える。
 よくみたら持ち物も、スカートの柄も違う。
 そう、まったくの別人だった。よく見ると女子大生風だし、バックも違う。
だけど、黄色いパーカーだけは同じだった。

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「黄色のパーカー、はやってんのか。」と思い、車内を見渡してはみるが、他には着ている人は見当たらない。
 さすがに三度目なので偶然にしてはすごいと思い、同僚に明日の仕事の打ち合わせと共に

「今、帰り道だけど面白いもんを見てるw」と今までの経緯をメールにして送った。

「じゃあ、今度入ってくるのはおばさんじゃない?」と返信が帰ってきたその時、
そのOL風の女性が降りていった。乗り降りが結構激しい駅である。

乗り込んできて目の前に座ったのは・・・。


「おばさんだよ・・・・。」黄色いパーカーのおばさんである。

 流石に少し怖くなった。3度めの正直どころではなく、4人連続である。しかも、段々と年齢が上がっているところが恐い。
 黄色いパーカーを今度は凝視してみた。さきほどの女性とはデザインも色合いも違うようだ。しかし、紛れも無い”黄色いパーカー”なのは同じなのだ。

 なんだ?この偶然は。意味があるとは思えない。なんか訳がわからないまま
間もなく自分が降りる駅が近づいてきた。

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 自分が降りる柏駅のアナウンスが流れた。
 ほどんどの乗客が立ち上がった。私もドアの傍に立ち、恐る恐るそのおばさんの傍に近づいた。
 何度見ても何処にでもいるおばさんである。少し疲れた顔が気にはなるが、決して怪しい雰囲気はない。

 電車がホームに入る。ゆっくりと止まる前にそのおばさんは私の後ろに立った。

 電車は止まり、扉が開いた。

 階段を登りながら、気になって、自分がいた車両を少し振り返ってのぞいた時、ゾッと寒気を感じた。

 あの場所に背中を向けて、同じ席に老婆が座っていた。
 黄色いパーカーを着て・・・。

「えっ?えっ!」

 やはりという気持ちと、不可解な現象に完全に目を奪われたが、その電車は老婆を乗せたまま、船橋へと向かっていった。

 ふと気が付くと、一緒に降りた、おばさんの姿はいつの間にか見えなくなっていた。

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